Max/MSP関連
Max/MSPとは
Max/MSPとは音楽のためのGUIなプログラム開発環境です。 Maxはパリのフランス国立音響音楽総合研究所(IRCAM)においてミラー・パケット氏を中心に1986年から開発が始まり、1990年に Opcode 社から一般に向けて販売されるようになりました。しかし現在はデビッド・ジカレリ氏の会社であるCycling'74で販売・サポートを行っています。オブジェクト指向のC言語の上級言語で、電子ブロックのようにオブジェクトというパッケージを線でつないでプログラミングができます。MaxはMIDIを、MSPはオーディオのデジタル・プロセッシングを扱います。さらに、最近では、jitterという映像関連のオブジェクト群も発表されています。
「架空の郷土芸能」の規則
現在、ワークショップで話し合われている「逆シミュレーション音楽」に基づく「規則」。その「規則」をMax/MSPでシミュレートして、検証を行っています。現時点ではいかなる「解釈」をもってその「規則」を使っていこうかはまだ決定していないため、その「規則」がいかなる特性を持っているのかが分かりやすいように三輪さんが以前に発表している「またりさま」の解釈で検証しています。
まず、難しく、数学的に言うと、この「規則」は以下の数式で示せます。
3-(n1 + n2)%3 (n1,n2 =1,2,3 )
この時のnはパターンと呼ぶこととします。
n1,n2はこの規則に関係しあう「プレーヤー」の「その時」の「パターン」です。
と、これでは解らないので、もっと、かいつまんで定義したいと思います。
「規則」の定義
まず、2人以上のグループで演じることとします。
そしてその演ずる人を「プレーヤー」と、呼ぶこととします。(これはサブパッチ"player unit"にあたります。)
「プレーヤー」は始まる前に最初に演ずる「パターン」(パッチにおいては1,2,3の整数に当たる)を決定します。これを初期値とします。
この「パターン」を変えていくのが「規則」です。それはある任意のプレーヤーの直前に演じたパターン番号と、 演奏順が一人前のプレーヤーが演じた番号をのぞいた番号が次の自分の演じる番号となる。
例えば、自分がパターン1を演じたとして次の順番のくる一人前のひとが2を演じたら、パターン3を演じなくてはならない。
Maxパッチによる解説
これでは「非常にわかりにくい!」ということで、「またりさま」の解釈を採用いたしまして、より実際的なパッチでもって説明いたしたいと思います。以下のfig.1,fig.2を中心に説明します。
fig.1を見て下さい。図中の円形の部分の数字は上の列の初期値のとなっています。つまりこれは演奏の始まる最初の段階となっています。次に、fig.2を見て下さい。矢印の示す数字を見てみると、初期値の2が3となっています。
そこで、隣のプレーヤー(この場合、1)の数値は1となっています。つまり、矢印の変化は、1と3以外の数字2が選ばれていることが解ると思います。
さらに、fig.2において円形の中の3の数値を見てみると、3となっていて、2の数値3と等しいことが解ります。そこで、次ぎにプレーヤー3が選択する数字は同じ3となるわけです。