2004年2月21日(土)
今年1月にせんだいメディアテークで発表された「ヂヤイ神楽(付)算額奉納」
で生まれた「蛇居拳算」。詳しいことは「あんぐら芸能」を参照していただくと
して、この規則をもとに三輪眞弘氏によって逆シミュレーション音楽の作曲法に
よって新たに大垣にて生み出されたのが「おおがき蛇居拳算太鼓」である。大垣
工業高校の太鼓部の生徒による演奏で行われた。
おおがきビエンナーレのオープニングとして「おおがき蛇居拳算太鼓」は太鼓が
平置きに7つ、円陣を作り演奏された。太鼓が7つあるだけで、ちょいと勇壮な
感じがするのだが、ヂヤイ神楽〜とは異なる新しい試みがなされていた。一つは
円陣の演奏者はアルゴリズムによって決められた3つの状態をとるのだが、それ
はある決まりによって決定し、次々とかわっていくのだが、この3つの状態はあ
る長さを持つフレーズとなっている。なおかつそれは3つの状態がかわっていく
インターバルをオーバーラップしていく。と、分かりにくと思うが、具体的にい
えば、一人が演奏し、その次に演奏するのは前の演奏が終わる途中で行われる。
三輪氏によれば、そうすることによって演奏のリズムが安定するとのこと。これ
はヂヤイ神楽において課題であったので、より洗練されたものとなっている。
また、演奏する楽器が太鼓だけになったことで、より演奏が安定したといえる。
アルゴリズムの3つの状態は楽器が一つになることにより、足のポーズでわかり
やすくしている。これがもう一つの洗練であると思う。
三輪氏によって「ありえたかもしれない文化」を生み出そうと考案された「逆シ
ミュレーション音楽」だが、文化の洗練という点で、また一歩、目的に近づけた
のではないだろうか。また、「方法」機関誌 31号にて最近の三輪氏の「逆シ
ミュレーション音楽」についての発言があるので一読していただきたい。さらに
仙台のワークショップに参加したメンバーを中心に「ヂヤイ神楽保存会」名義で
独自に「逆シミュレーション音楽」活動を開始したことを付記する。
大垣ビエンナーレ 2004
http://www.iamas.ac.jp/biennale04/
あんぐら芸能
http://www.astrolabel.net/geinou/
ヂヤイ神楽工房
http://astrolabel.net/pukiwiki/pukiwiki.php
Metod方法
http://aloalo.co.jp/nakazawa/method/index.html