2004年03月28日

居留地映画館 光と影の街散歩(21号 15.9.01)

9月15日・16日 神戸 旧居留地 於

このイベントはともかくその名前からして、興味がわいた。 まず、「居留地」という響きがなんとも、気がひかれるのだ。そして、 「映画祭」ではなく、「映画館」であるところも、ただの映画のイベン ト出ないように思えた。

そして、何よりも、米朝一門による「錦絵影絵」が見ることができると なったら、どうしても行きたくなったのだ。

●「居留地映画館」とは

このイベントは様々な場所で行われる様々な映像に関するイベントの融 合物である。ほんとに、たくさんのアーティストに、たくさんの会場。 もう、旧居留地全体にちりばめられている。主なものを列挙すると、

○BIG SMILE 2001
あらかじめ公募して、撮影された神戸の人の笑顔のスライドショー。 おおきなビルの壁に移しだされた笑顔が、次々と、変わっていく。 (実はなぜか私の顔もあるのだ)

○テアトル56
これがメインとなる会場。 巨大なスクリーンに無声映画や3D CGなどの作品を上映する。 無声映画には音楽がついたり、生演奏に弁士といったスタイルで 上映されるのだが、一日目の今日は雨のため、弁士のほうは上映 が中止された。明日は上映されるとのこと。あー残念。 ちなみに無声映画のタイトルは メリエスの「月世界旅行」、「国定忠治」、阪妻の「坂本竜馬」、 吉良の仁吉「血煙り荒神山」の4作。

○光と影のお話し
トークショーが行われた。 私は中島らものトークを錦絵影絵の後に同じ会場で聴いた。 他にも、椎名誠など3組。

○ビデオカフェ キャビン
喫茶店で、英国新鋭作家のアニメーションのビデオの上映会。 私は砂を使った"Moi, l'autre" Marie Paccouの光と影の表現の 仕方が素敵でした。しかし、みんな、肌さわりは毒っぽいです。 時代なのでしょうか。ゲイジツは日常の反映でなくてはならない としたら。

○スリット・ショー
旧居留地のあちこちで行われている様々な映像に関するインスタ レーション。 雨が降って、あまり、しっかりチェックしなかったのですが、佐 藤時啓+Wandering Cameranの「漂白するカメラ(家)」という 移動カメラ・オブスキュア。キャリアカーをそのまま、映像箱に。 なんと、このインスタレーションは漂白と題するだけあって、今 月20日からは仙台の「みちのくアートフェスティバル」に参加す るとのこと。みにいけるかなー。

このほかにも、通路の頭上で、リズミックに足でつぶされる卵の からのインスタレーション(田尻真理子)など、個性的な作品が たくさんありました。 このほかにも、様々なワークショップなどイベントがありました が、一日でまわりきることのできないほどのヴォリューム。 かなり疲れました。(雨だったしね)

●錦絵影絵

さて、お目当てのこの「錦絵影絵」ですが、まず、これはなんぞ やと問われれば、幻燈なのですが、これでもわからなかったら、 うつし絵なのですが、それでもわからなければ、「一部、可動す ることのできるスライド」とでも言いましょうか。ともかく、映 画が、日本に紹介されるまで、江戸時代から、明治初期には、映 画館のようにそれ専用の箱ができるくらい人気があったのだそう です。いってみれば、現在のアニメーションのようなものでしょ うか。しかし、映画に比べれば、その、映像の明かりは明瞭とは いえないほど暗いし、アクションをきにしたら、見れません。で も、うす暗い明かりのガラス板に書かれた絵が映し出されるのは なんとも、いい感じです。 実際にはこのような動きのあるキャラクターを一人一人、別の動 きをつけることによって、話を作るのですが、それにはガラス板 をそれぞれが、別の機械で映し出して、一つのスクリーンに映し 出すというふうにするのですが、うまく、タイミングがあわない と、かなり、笑えるくらい情けないのでしょうが、今回は、そこ は「はなし」でカバーしていました。

ところで、なぜ、米朝一門がこのようなことをしていると言うと、 桂米朝という人、この「錦絵影絵」がとても、気にっておられる ようで、それを弟子に、このわざ、覚えてこいと、相成ったわけ でございます。つまり、今回、桂吉朝、米左両氏は本業は落語で あって、「錦絵影絵」を継承されている方とは違うので、たまに は失敗があるそうなのです。氏いはく、「毎回が初舞台」なのだ そうです。また、このガラス板ですが、とても、細工が込んでい るもので、めったやたらに作ったり、修理するのも大変なのだそ うで、壊れてしまうと、そのガラス板を使う出し物はできなくな るそうで、「今回が最後の公演」ともなるかも知れぬのだそうで す。

あー、文字ではなかなか、「錦絵影絵」の良さが伝わらない。( 私の文才の無さのせいでしょうが)ともかく、機会があったら、 見てみてください、ホント良いって。

「居留地映画館」のサイト: http://www.cap-kobe.com/eigakan/index.html

Posted by com4jai at 2004年03月28日 23:39
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