2004年03月28日

盗聴リミックス ライブ (10号 7.4.01)

3月17日
ヲノサトル
有馬純寿
渋谷慶一郎
佐々木成明(映像)


前回もご紹介した「仙台メディアテーク」においてヲノサトルさんのワー クショップが開かれました。このワークショップは携帯電話の音声メモ機 能を使って施設内の音を集めるといったことが行われたのですが、(残念 ながら、その模様はチェックできませんでした)このライブはそのワーク ショップの音を素材にして即興的に音楽を作っていくという趣旨のライブ でした。有馬純寿さんはPBを二台(当然、MAX/mspを使用していると思 われます)、渋谷慶一郎さんはNORD LEADのほか、いくつかのリズムマシ ンと、DJ用のCD playerを2台使用していました。この二人にヲノサトル さんが、指示を出しながらみずからも、演奏をしながら音楽を作っていく というのが、概要です。
さて、印象ですが、ライブのタイトル通りにハウスDJが曲をつないでいく ように次々と展開していく、即興といいつつも、かなり楽曲としての背骨 はしっかりしたものでした。もちろん、予定調和的という意味ではありま せんが。いってみれば、ヲノさんが、高性能AIつきターンテーブルを使っ てフロアを楽しませるという感じでしょうか。そういう風に聴いたためで しょうが、曲の途中にはChill Outと感じる部分もあったり、曲の最後は DJが最後にフロアをあおるようにハッピーな曲をがんがん立て続けに流 すように感じたり、環境音を使った即興演奏とは思えないほどにクールな んです。見た目はむかしながらのミュージックコンクレートのコンサート のように机の上に器材を並べ、そこにケーブルがたくさんたれ下がってい るという、それなのですが、DJやって、ノイズも、現代音楽も、という、 ヲノさんの懐の深さを垣間見て、すごく触発されました。環境音を使った こういう即興リミックスみたいなことは私もやっているのですが、今回の ような、遊び心やもっとフレンドリーさというのが、全くもって、欠如し た結果となって、聴いてもらいたいという、もっとも大切なことから離れ て行ってしまうという、ある種のジレンマが「この手があったか」的に興 奮してしまいました。それにしても、3人が事前にどのくらいの打ち合わ せをしていたのか聞きたいくらいに、全体の流れが、きれいでした。何し ろ、ABCDE・・・Aと、しっかり冒頭のテーマにもどるように感じられる のですから。
ところで、ワークショップで拾われた音ですが、印象的に使われていたも のをいくつかあげますと、まずは時報のビープ音、テレビニュース、電話 の通話音、ヒトの声、特に電話がつながらないと、関西弁で話す声、施設 のエレベーターの昇降音といったところです、これはわたしの勝手な感想 なのですが、宮城県仙台市という地域を象徴する音がなかったのがちょい と残念。まあ、全国どこでも、そんなものなのかもしれませんが。
最後に映像について触れようと思いますが、手法としては全体的にVJ的で した。事前に用意したCGと、録画された映像を曲に合わせてスイッチング していくというものです。その録画された映像ですが、この施設の中のド ーリー映像と監視カメラの映像、4分割とかの映像もあった。とても新鮮 だったのは先のドーリー映像を多分手動だと思うのですが、DVを早送りす ることによる画面の乱れです。もし、DVカメラを持っているヒトがいたら、 手動で、サーチしてみてください。ある速度を超えると、映像が乱れます。 この手法ってはやってるのでしょうか?わかりませんが、すごく簡単だけど 効果的でした。
映像と相まって「仙台メディアテーク」に居ながら、また違った次元の「 仙台メディアテーク」を感じることができて、まさに開館記念にふさわしい ライブでした。最後にヲノさんもおっしゃっていましたが、この施設を育て ていくのは住んでいる自分たちだなーと、せっかく良いオープニングがあっ てもフェードアウトでは、もったいないですから。

■せんだいメディアテークHP: http://www.smt.city.sendai.jp/
■ヲノサトルさんHP: http://member.nifty.ne.jp/wono/
■有馬純寿さんHP: http://www.kt.rim.or.jp/~arima/
■佐々木成明さんHP http://www.kt.rim.or.jp/~naruaki/index.html

Posted by com4jai at 2004年03月28日 23:22
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