2004年03月28日

9/16 DSP サマースクール2000 公開ライブ(創刊0号 26.11.00

だいぶ前のライブですが、紹介したいと思います。
大垣の国際情報芸術アカデミーにおいて国内外から70人を超える参 加者を得て行われた「DSPサマースクール2000」の公開イヴェントと して9月16日に三輪眞弘、佐近田展康、ジョエル・ライアン、カール・ ストーンといった、コンピューターミュージックの最前線で活躍するア ーティストによるライブパフォーマンスが行われた。わたしはスクール に参加できなかったが、このライブはみることが出来たので、感想など を。
 三輪眞弘さんの”ゼフュロスとメガフォンのための「mega-phone -m」”は演奏者と、トラメガを対峙させた作品。トラメガにはパワーブ ックがつながっており、演奏者が音を出すと、オウム返しのようにサン プリングされた演奏がトラメガから発せられる。そして、 foward!と、 トラメガから機械音声が発せられると、演奏者は、一歩前に動く。両者 の距離が近くなると、演奏以外のサンプルも鳴り始める。「Why!!!」と か、叫んでる声。なぜ、ホワーイなのだろうか、わたしが、Why!となっ てしまう。作品の裏にある物語は解らなかった。前に進めといいながら、 近づくと、なぜ?と問いかけられる。楽器とメガフォンの関係性によっ て作り上げられていく音場のなかで、それを否定するようなパロールが 行き交う。これは、作曲者の罠なのだろうか、それとも、問いかけなの だろうか。話し相手としての人工知能を極限まで高度化した先には何が あるのだろうか?機械との会話の意義とは?人間は自立的な機械の返答 というもの を望んでいるのだろうか?漠然と思い浮かんだ問い。この作 品には、私にはうかがい知れぬ 物語に支配されているのではないかと思 っ た。
 佐近田展康さんの「Clockwork Voices」は題名とおり、時計仕掛け の歌声。サブタイトルには「機械歌唱とギターのためのNew century Song」とある。ギターをひき始めると、訥々とした、ジプシーのような 歌声が、パワーブックから発せられる。ギターは時にバンドネオン、と きにはフラメンコギターのような音色を彩 り、すべてがリアルタイムに 展開する。どこか、架空の民族音楽のような響き。ガルデル、ピアソラ を思い出す、どこかなつかしい、未来の音楽。この日の演奏の中では個 人的には一番楽しめた。

Posted by com4jai at 2004年03月28日 23:05
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