長らく取り組んできた「黄金律の音を聴く」ですが、やっと、とりあえ ず、形にすることができました。このパッチはこのコーナーの最後に、 ダウンロード先のアドレスを記しておきますので、よろしかったら、ど うぞ。完成した音のほうですが、ただいま、最終的なミキシングをやっ ている最中でして、完成ししだい、アップしたいと思っています。
そこで、この完成したパッチについて、2回にわたって、いままで、触れ てこなかった部分について話していきたいと思います。一回めはcycle~ に関してです。
さて、cycle~がサイン波を発生するオブジェクトであることはこの日記で も、何回か登場していますが、ここで、もう一度、概要についてまとめて みます。
[cycle (friquency Hz)] と、アーギュメントに周波数(ヘルツ表示)を記すことで、その周波数の サイン波を得ることができます。
MIDIノートナンバーをヘルツへ変換するオブジェクト[mtof]を第一インレッ トの前段に入れて
とすれば、音楽的音階でコントロールできます。
・・・さて、この辺の辺りはすでに何度も登場していることですが、今回の 最終的なパッチで使用しているのは第一インレットにシグナルを入力するこ とによって、アナログ・シンセなどではLFO(ロー・フリクエンシー・オシレ ーター)と言われている、音程や音量を調節する機能と同様の働きを得るこ とができます。ただし、LFOが限られた周波数でそれを行うのに対して、この 場合はその限定がないので、FM変調のようなところまで(正確には違うんで すけど)行えるのが違いです。
今回、用いたのは以下のような構成です。
第二インレットの上段の[*~]でシグナルの音量をコントロールすることでモデ ュレーションの度合を調整することができます。
以上が、まず、一つめのポイントです。 そして、もうひとつのポイントはこの[cycle~]はサイン波以外でもあらゆる波 形のオシレーターとなりうるということです。
まず、これを実行するには[buffer~]に512サンプル(約0.1秒)の波形を読み込 むことによって実現します。それでは順を追って説明していきます。
まず、やらなくてはいけないのがともかく、波形ファイルを作らなくてはいけま せん。これは、AIFF或いはSDIIファイルで、通常の音声ファイルと同様に[buffer~] に読み込むことができるフォーマットであれば、かまわないということです。 ここで、この、短いファイルをどのようにしたら、作ることができるのかと言う ことですが、私はMETASYNTHというソフトで作っています。しかし、そういった他 のソフトを持っていないと言う場合でも、問題はありません、MAX/mspはこのファ イルを作るためのパッチのひな形を用意していますから。
自分のところでは以上の場所に各々あります。 これらはいくつかのひな形が用意されていて、少々つなぎを変えることでいくつ かの波形は作ることができます。また、独自の波形を作るのもカスタマイズする ことで可能です。
さて、ここでは便宜上、この作ったファイルを"wave.aiff"と言うことにしましょ う。ここで、今回はあまり、[buffer~]についてはふれませんが、簡単に書式を説 明します。
というふうに[buffer~]には書き込むファイル名のほかにバッファーの名前を設定 しなくてはいけません。ここで、このバッファー名を"wave"とすることにします。 とすると、この場合の書式は
・・・となります。 これで、[cycle~]に波形を読み込む準備ができました。
さて、こうして作ったバッファーを読み込めば、[cycle~]はサイン波以外の波形の オシレーターの代わりとなります。さて、今回の場合、書式は
・・・となります。 ここで注意しなくてはいけないのは、あくまでも、アーギュメントに書き込むのは バッファー名であって、ファイル名でないという点。
今回の場合はwave.aiffではなくて、waveとなるわけです。 こうして、あらゆる波形を[cycle~]によって、あらゆる周波数に出力できるわけで
す。今回は、モデュレーションするためにこの方法をとりました。 さて、第一回めはcycle~についてでしたが、次回はエフェクターではメジャーなデ
ィレイについて進めていきたいと思います。
それではまた。