2004年03月28日

fiddle~ でインターラクティヴ  その2 (創刊2号 8.12.00)

さて、先週に引き続き、fiddle~について話ていこうと思います。「何 をやりたいか」ということから出発しましたが、それが何か覚えている
でしょうか。そう、『あるメロディから、自律的にメロディを生むこと、 つまり、あるメロディが崩壊し、再構成され、新生していく』でした。 それを実現するには、リアルタイムに、演奏されている音程や、音量と
いうものを解析してくれる「オブジェクト」が必要でした。それが、fi ddle~です。

 それでは、実際に先週言ったようにヘルプを観ていくことにします。 インレット(入力)は1つ、アウトレット(出力)は4つあります。もち ろん、インレットには解析したい、信号を入れるのです。では、アウト
レットはといいますと、pitch,attack,amplitudes,raw pitch,comp onenntsとなっています。そのうち、amplitudesは、単独とraw
pit chとパックされた2種類があります、それで4つです。パックされている のは左から2番めのアウトレットで、ヘルプでは「unpack」という「オ
ブジェクト」で、2つの出力を得ています。さっそく、 「adc~」から、 入力ソースを内臓CDにしてオブジェクトの動きを観察することにしまし
た。pitchは周波数で出るものだと思っていましたが、いがいなことに、 MIDIノートナンバーでした。これは、とても使いやすい。ただし音が、
たくさん入った・・・、つまり和音がたくさんなっている、あるいはド ラムや打楽器が入っている音源に対してはいらないデータ、いわゆるゴ ミデータガたくさん出ているようです。もし、そのような音源を解析す
るには入力前に、フィルターなど音源を加工しなくてはいけませんが、 さいわいなことに今回の使用するメロディは単音、それもダイアトニッ ク・アコーディオン(ドレミ・・・しかでない、つまり、ピアノの白鍵
の音しかでない、ボタン式のイタリア製)を自分でひいたものなので、 音も正弦波に近く、加工ナシでもうまい具合にピッチを得られることが できました。だからといって、和音が解析できないわけではありません
。そのために、第4のアウトレット、components があるのです。ヘ ルプによりますと「route」で解析する和音数を割り振って、それぞれ
の、amplitudes,raw pitchをパックして出力するみたいです。次にat tackですが、よくわかりませんが、どうも、音の立ち上がりを測定して
いるようです。また、amplitudesは名前のとおり、音量が、リアルタ イムに変化します。ためしにfiddle~のアウトレットpitchとamplitud
esを使って正弦波シンセ(cycle~,*~を使用)を、動かしてみましたが、 音の減衰はこのままだと不自然な感じでした。安直に使おうとした私が
馬鹿でした。きっと、line~を*~につなげればよいのでしょうが、今回 は初めて使うということもあるので。pitch 検出だけにすることにしま
した。

これで、入力された情報を何らかの方法で、音にすることができるなら ば、それがまた解析されるという無限ループガ出来上がりました。つま り、解析の結果をランダムに並び替えたり、変更することで、新しいメ
ロディが出来ますが、その新しいメロディも、また、先程と同じように 並び替えられたり、変更されるのです。これによって、理論上では、た だひたすら、メロディを作り直すことが出来るのです。これこそが今回
の『あるメロディから、自律的にメロディを生むこと』のコアになりま す。次回はそのメロディを制御するのに使った佐近田展康さんのパッチ grain~についての話です。

Posted by com4jai at 2004年03月28日 20:49
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