さて、先週、わたしのPowerBookが、MAX/MSPのうごく環境になっ た、というところまで話しましたが、早速、活用する場面がやってきま
した。なにしろ、一番、早いマシンですから、たんと働いてもらいまし た。
MAX/MSPは音楽プログラミング・ツールで、音楽に関するプログラ ムするソフトウェアーですが、「手軽かつ、奥が深い」というのが、今 まで使用しての感想です。MAX/MSPは「オブジェクト」という、視覚
的には長方形の形をした、ある一定の機能を持ったGUIを並べ、まるで、 電子ブロック(あー、ふるー)の様に組み合わせることによって、特定 のプログラムを作っていくもので、最初についてくるだけでも、かなり
多くの「オブジェクト」が付属してくるので、ほぼ、不可能はないので はないかというぐらいにいろいろなことができる。やろうと思えば、シ ーケンサー・ソフトやHDRソフトだって、作ることができる。けれども、
「何をしたいのか」を明確にしないと、何から始めたらよいのかがわか らなくなる、方向性ナシに、やみくもに何かが作れるということがない ので、「オブジェクト」がどのようは働きをするかを知り、「何をした
いのか」に向かって作業するのである。・・・これが今のところの私の やり方です。ひとそれぞれ、向き合い方ガ違うのも、MAX/MSPの良い ところであるかもしれない。だから、能率的な作業にはあまり向いてい
ないと思う、例えば、MIDIで、楽曲をフルコピーするとか。
今回の「何をしたいのか」はずばり、あるメロディから、自律的にメ ロディを生むこと。つまり、あるメロディが崩壊し、再構成され、新生 していく「パッチ」(MAX/MSPにおける1つのプログラムの単位、この
パッチが、単独、あるいは複数集まってプログラムを形成する)。そのた めには、いま、演奏されているメロディのピッチとか、音量とかを逐一 知らせてくれる「オブジェクト」が必要だと思った。しかし、そのよう
な機能を持つものは最初についてくる中にはないのである。実は「オブ ジェクト」は自作が可能なのである、・・・が、そのためには、C言語 など、いろいろと、しらなくてはだるまさん状態である。かくいうわた
しも、その一人だ。しかし、だからといって、あきらめてはいけない。 ネット上には、様々な「オブジェクト」があらゆる人に制作され、公開 、配布されている。渡りに舟、豚に真珠(これは違うか)。そしてピッ
チとか、音量とかを逐一知らせてくれる「オブジェクト」fiddle~を見 つけ出し、ダウンロードした。
http://www.crca.ucsd.edu/~msp/
さて、ダウンロードしてみると、「オブジェクト」とともに、「HEL P」ファイルというのもついてくる。これが重要なんです。マックのパ
ルーンヘルプみたいなものだと思ったら、大間違い。これこそが私の先 生なのですから。この「HELP」ファイルは実は「パッチ」である。つま り、「オブジェクト」fiddle~の実用例、それも動作する、が入ってい
るのである。私の場合はまず、例外なく、この「HELP」ファイルを検証 することから、「オブジェクト」の働きを学ぶ。もちろん文字情報も入 っているので、それで、働きを知る事ができるが、動作しているという
のが、やはり、一番の魅力です。で、この「HELP」ですが、「オブジェ クト」を「OPTION」+クリックで新しい「パッチ」、「HELP」が開きま
す。それでは来週は実際にfiddle~を使って、「パッチ」を制作してい く過程について書こうと思います。